いきなり結論から言います。
いまの日本社会を一言で表すなら、**「椅子取りゲーム社会」**です。
しかもこの椅子取りゲーム、運営が性格悪すぎる。
- 椅子は増えない(むしろ体感減ってる)
- 音楽(=競争を煽る掛け声)だけは無駄にうるさい
- 途中参加の人ほど不利(就職氷河期?はい、ハードモード確定)
- 負けたら「努力不足」と説教される(椅子の数の話をしてるのに精神論)
今日はこの地獄仕様が、どうやって“仕様”として固定されたのかを、**新自由主義(市場万能っぽい運営)と自己責任論(負けた人に説教する運営)**を絡めて、ブログ掲載用にリライトします。
さらに「雰囲気」ではなく、最低限のエビデンスも差し込みます。
目次
- 椅子取りゲーム社会とは何か
- まず確認:「お金ってどこから来るの?」問題
- 椅子が増えないと何が起きるか(仕事・賃金・生活)
- 日本で実際に起きたこと(非正規・賃金停滞のデータ)
- 自己責任論がホラーになる構造
- 「供給力を上げろ」の本当の意味
- 結論:椅子を増やせ(政策の方向性)
- よくある反論Q&A(軽めに迎撃)
1. 椅子取りゲーム社会とは何か
椅子取りゲームって、本来はルールが単純です。
- 人数より椅子が少ない
- 音楽が止まった瞬間に座れなかったら脱落
これを社会に当てはめると、椅子はざっくり 「安定した雇用」「十分な所得」「将来の見通し」 です。
座れないとどうなるか。生活が不安定になり、結婚・出産・挑戦(転職、起業、学び直し)みたいな“未来行動”ができなくなる。
ここまではまあ、比喩として普通です。
問題はここからで、日本版は運営が狂っています。
椅子の数(安心して生きられる枠)が増えないのに、競争だけは強化してきた。
そして負けた人にこう言う。
「自己責任」
「努力が足りない」
「甘えるな」
……いや、ゲームデザインが悪いんだよ。椅子を増やせ。
2. まず確認:「お金ってどこから来るの?」問題
新自由主義や自己責任論を理解するうえで避けられないのが、これです。
そもそも、お金はどこで作られて、市場に出てくるのか?
ここをすっ飛ばすと、議論が全部「気合い」「根性」「意識改革」になります。
そして最後に残るのが、努力教の説教だけ。
お金は“主に”銀行が貸し出すことで生まれる(超重要)
現代の経済では、預金の多くは「誰かが貯金箱に入れたお金」ではなく、銀行が貸し出しを行うことで同時に生まれる預金です。
イングランド銀行(中央銀行)が、かなりハッキリこう説明しています。
- 「銀行がローンを実行すると、借り手の口座に同額の預金が同時に作られる(=新しいお金が生まれる)」
Bank of England – Money creation in the modern economy
この説明が強いのは、「陰謀論」でも「過激派」でもなく、中央銀行が言っている点です。
じゃあ政府は関係ないの?
関係あります。ざっくり言うとこうです。
- 銀行は貸し出しでお金(預金)を作る
- でも、企業や家計が「借りたい」と思えるか(需要・将来見通し)が超大事
- その需要と見通しを左右する大きな要因が、景気・雇用・社会保障・公共投資
- それらに政府の財政が関与しないわけがない
つまり、乱暴にまとめると、
- **民間の信用創造(銀行貸出)**と
- 政府の支出・制度設計(需要と安心の土台)
この“合成”で、社会に回るお金と仕事の量感が決まってきます。
※ちなみに日本銀行の統計でも、マネーストック(M1/M2など)が「通貨+預金」という形で定義されているのが分かります(「預金」が貨幣の中心)
日本銀行:マネーストック(定義)
3. 椅子が増えないと何が起きるか(仕事・賃金・生活)
社会に回るお金・需要が増えにくい状態で、競争だけ強めたら何が起きるか。
- 企業は「人件費を固定化したくない」
- 家計は「将来が不安で消費できない」
- みんな守りに入る
- 経済のエンジン(需要)が弱い
- なのに「自己責任で頑張れ」とだけ言われる
これ、椅子取りゲームで言うと
椅子は増やさない
参加者だけ増やす
音楽だけ爆音にする
負けた人に説教する
という、ホラー運営です。
4. 日本で実際に起きたこと(非正規・賃金停滞のデータ)
(1) 非正規は“3人に1人超”
総務省統計局の労働力調査(2022年平均)では、**非正規雇用が36.9%**と明記されています。
総務省統計局:労働力調査 2022年平均 Summary
“The non-regular employees accounted for 36.9% …”(同PDF内)
つまり日本の労働市場は、かなりの比率で「椅子がガタガタの席(不安定席)」になっている。
(2) 賃金(所得)が上がらないどころか、30年スケールで停滞
IMF(国際通貨基金)の日本に関する分析では、衝撃の一文があります。
「平均賃金所得は1995年以降上昇していない。日本はG7で最も成績が悪い」
IMF Country Report No.23/128(Selected Issues)
これ、感想じゃなくて IMFの文章です。重い。
もちろん“どの指標で見るか”や“家計内の分配”など論点はありますが、少なくとも
**「日本は長期で賃金が伸びにくかった」**は、国際機関のレポートでも確認できます。
5. 自己責任論がホラーになる構造
ここで自己責任論が最悪の形で効いてきます。
- 椅子(安定雇用・十分な所得)が増えない構造
- でも「競争しろ」「成長しろ」「自己責任だ」
これ、負けた個人の“性格”や“努力”の問題に見せかけて、実は
- ルール(制度)
- 椅子の数(政策・景気)
- 入場条件(世代・家庭環境・地域格差)
の問題を、ぜんぶ個人に押し付ける技術です。
そして生活面ではこう連鎖する。
- 雇用不安・低所得
- 将来が読めない
- 結婚・出産を控える(価値観じゃなく生存戦略)
- 人口が減る
- 需要も供給も縮む
- 「財源がない」「余裕がない」と言われる
いや、余裕を作らない運営をしてきたんだよ、という話です。
6. 「供給力を上げろ」の本当の意味
「供給力」って言うと、なぜか根性論にされがちですが、違います。
供給力の土台は、だいたいこのへんです。
- 安心して働ける(雇用とセーフティネット)
- 教育・医療が維持される
- 子育て・介護の負担が潰れない
- インフラが壊れない
- 災害対応が回る
要するに、人間が再生産される社会であること。
ここが弱い国は、気合いで供給力は上がりません。気合いはカロリーにならない。
7. 結論:椅子を増やせ(政策の方向性)
結論はシンプルです。
椅子を増やさずに競争させるな。
方向性としては、少なくとも次のセットが必要になります。
- 需要の下支え(景気を冷やしすぎない)
- 雇用の安定化(非正規の待遇・移行の設計)
- 子育て・教育・医療など“生活の土台”への投資
- しんどい人を落とさないセーフティネット(それが挑戦の前提)
そして重要なのは、これは「優しさ」ではなく、経済の設計だということ。
椅子が増えれば、椅子取りゲームは“殺し合い”になりにくい。社会が持つ。
8. よくある反論Q&A(短く)
Q1. 椅子(支出)を増やしたらインフレになるのでは?
A. 供給制約を無視して需要だけ増やせばインフレ圧力は出ます。だからこそ「何に出すか」(供給力の土台整備)が重要。
Q2. 企業が賃上げすればいいのでは?
A. 賃上げは重要。ただ、企業が賃上げしやすい環境(需要が読める、将来が読める、下請け叩きの是正など)もセット。
Q3. 自己責任って、努力を促す良い言葉では?
A. “責任”を語るなら、まず運営がルールを説明すべきです。椅子の数を増やさず「努力が足りない」と言うのは、ゲーム運営として不誠実。
参考資料(本文で引用した一次ソース)
- 銀行貸出が預金(お金)を作る:
Bank of England – Money creation in the modern economy - 日本のマネーストック定義(M1/M2など):
日本銀行:マネーストック(定義) - 非正規比率(2022年平均 36.9%):
総務省統計局:労働力調査 2022年平均 Summary(PDF) - 賃金所得の長期停滞(1995年以降上昇せず、G7で最も弱い趣旨の記述):
IMF Country Report No.23/128(Selected Issues, PDF)

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