供託金は高すぎる?被選挙権は下げるべき?私は慎重です

政治の話をしていると、かなりの確率で出てくるテーマがある。

それが、供託金が高すぎる問題。そして、**被選挙権(立候補できる年齢)**の話だ。

「日本の供託金は高すぎる」
「若い人が政治に参加できない」

この議論、昔からずっと続いている。

先日、町田でお会いした篠原一騎さんも、この問題にかなり強い問題意識を持っていた。篠原さんの主張はシンプルで、

供託金を下げるべき。
被選挙権年齢も下げるべき。

……言いたいことは、そりゃ分かる。分かるんだけど、私はこの議論、ちょっと慎重な立場だ。

理由は簡単で、この問題って、実はそんなに単純じゃないから。


まず前提:日本の供託金は、たしかに高い

国政選挙で立候補するには供託金が必要で、たとえば衆議院小選挙区は300万円、比例代表は600万円。一定の得票に届かないと没収される(戻らない)。これ、文章にすると淡々としてるけど、現実は「出るだけで数百万円を失う可能性がある」って話だから、普通にえぐい。 (https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/213/syuh/s213054.htm)

「若者が立候補しづらい」って言われるのも当然だと思う。若いほど貯金も信用も薄い。まして無所属とか新人とか、資金調達ルートが細い人には重い。


供託金制度って、いつからあるの?(歴史の話)

ここ、意外と知られてないけど、供託金制度は「最近できた嫌がらせ制度」じゃない。

国立国会図書館の調査資料によると、日本の選挙供託制度は1925年(大正14年)、いわゆる普通選挙法の制定時に、衆議院議員選挙で初めて導入された、と整理されている。 (https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11884866_po_085106.pdf?contentNo=1)

しかも導入の趣旨がまた生々しい。
同資料では、当時の内務大臣が、当選する気もないのに立候補する人、嫌がらせ目的の立候補などを問題視し、立候補を慎重にさせるために供託金を設け、いわゆる“泡沫候補”を防ぐ趣旨だった、という説明が紹介されている。 (https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11884866_po_085106.pdf?contentNo=1)

要するに、供託金って「政治参加のハードル」として嫌われがちだけど、制度側から見ると「選挙を壊しにくる人を止めるための柵」でもある。


海外と比べるとどうなの?:イギリスは「500ポンド+5%で返還」

海外比較の話も、ちゃんとやっておきたい。

イギリスの下院選(UK Parliamentary election)では、選挙管理委員会のガイダンスに「供託金(deposit)は500ポンド」と明記されている。さらに「有効投票の5%を超えたら返還、5%以下なら没収」と、ルールもわかりやすい。 (https://www.electoralcommission.org.uk/guidance-candidates-and-agents-uk-parliamentary-elections-great-britain/nominations/submitting-your-nomination-papers/deposit)

日本の「300万円」に慣れてると、500ポンドって数字が軽く見える。実際、日本の参議院サイトの資料でも、英国は供託金を500ポンド(日本円で約9万5千円)に設定し、没収基準を有効投票総数の5%にしている、と紹介されている。 (https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/213/syuh/s213054.htm)

さらに同じ資料では、アメリカ・フランス・ドイツ・イタリアなどは供託金制度を設けず、ドイツでは立候補に必要な署名数を定める制度を採っている、とも触れている。これは篠原さんもおしゃべり回で少し触れていたかな? (https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/213/syuh/s213054.htm)

つまり、海外は海外で「お金じゃなく署名」「金額は低め+返還条件」みたいに、別の設計が多い。


じゃあ供託金を下げれば全部うまくいくのか?――ここが私の引っかかり

ここからが本題。

供託金を下げること自体は、私は反対じゃない。
ただ、「下げればOK」「若者が出やすくなる=民主主義が良くなる」まで一直線で語られると、ちょっと待ってくれと思う。

供託金は、良くも悪くも、候補者の乱立を抑える役割を背負わされている。参議院サイトの資料でも、政府答弁として「当選を度外視して多数の候補者が出ることを防止するため」という説明が引用されている。 (https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/213/syuh/s213054.htm)

供託金がゼロになった世界を想像すると、極端な話、数千人が立候補して選挙が機能しない、みたいなことも起き得る。もちろん制度設計で対処はできる。でも、少なくとも「供託金=ただの悪」じゃない。


被選挙権年齢の話:日本は衆25歳、参30歳

もうひとつの争点が被選挙権。

日本の被選挙権年齢は、総務省の解説ページで、衆議院は満25歳以上、参議院は満30歳以上と整理されている。 (https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo02.html)

「18歳で投票できるんだから、立候補も下げようよ」という話は、感覚としては筋が通ってる。篠原さんの問題意識も、たぶんこの線だと思う。

ただ私は、ここも供託金と同じで、「下げればOK」って単純化すると危ないと思っている。


国際比較:欧州は18歳が多い/アメリカは高め

国際比較を置くと、議論が少し整理できる。

国立国会図書館の資料では、
イギリスの下院は被選挙権18歳(2006年に21歳から引き下げ)、ドイツの下院も18歳、フランスの下院も18歳(2011年に23歳から引き下げ)。一方アメリカは下院25歳、上院30歳とされている。 (https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9578222_po_077907.pdf?contentNo=)

さらに日本総研のコラムでも、OECD加盟国では被選挙権年齢の引き下げが進み、フランス・韓国・トルコ・イギリスなどが相次いで引き下げている、という流れが紹介されている。 (https://www.jri.co.jp/image/column/opinion/detail/2023/0928_inoue.pdf)

つまり世界的には「18歳に寄せる」方向が確かにある。ここは、被選挙権引き下げ派が強い材料を持ってる。


ここからが“政治ブログ”の嫌な話:制度を緩めた瞬間、人気投票が加速しない?

で、私が慎重になる理由はここ。いや元々私は規制緩和的議論には基本懐疑的な立場でございます。よ、何度も言いますが一番嫌いな政党維新なのでね(笑)

供託金を下げる。
被選挙権を下げる。

これを同時にやると、「政治参加が広がる」面はある。反対に言うと、政治が“勢いゲー”になりやすい面もあると思ってる。

政治の世界って、残酷なくらい「政策」より「知名度」が強く働く瞬間がある。これはもう、きれいごと抜き。

そして今はSNSの時代で、「話題になったもん勝ち」が加速している。たとえば、2019年の参院選で立花孝志氏が比例で当選したことは報道動画のタイトルにも明記されている。 (https://www.youtube.com/watch?v=dUamEf55jtc)

2022年の参院選では、NHK党の「ガーシー」東谷義和氏が議席を獲得した、とスポーツ紙でもはっきり書かれている。 (https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202207100000010.html)

私は、彼らを「悪」と断じたいわけじゃない。
ただ、こういう現象を見ると、「制度のハードルを下げたら、良い人が増える」という保証なんてどこにもない、と思うわけでして、

これは経済における失敗とも似た状況を表していると思います。

宗主国アメリカさんのために規制緩和やったら中国さんがそこにやってきちゃいました。みたいな話です。

私は行き過ぎたグローバル化に反対なのでプレイヤーがアメリカだろうが中国だろうが嫌なんですがね(苦笑)


本音:若者も大人も全員“篠原一騎”さん程しっかりしていない

ここ、ちょっと雑に言いますが

世の中、篠原さんみたいにアンテナがしっかり立っていて、政治を自分の生活とつなげて考えられる若者ばっかりじゃない。
というか、そんな人、そうそういない。

で、もっと言うと――大人こそ別に立派じゃない。実際ここが一番重要ではあるんですが

見てください、禄でもない大人、まあまあ多いでしょ。
じゃなかったら、立花さん当選してないですからね(※当選そのものは事実として起きてる、って意味で)。 (https://www.youtube.com/watch?v=dUamEf55jtc)

「参加の門戸を広げる」って、きれいな言葉だけど、同時に「ヤバいのも入ってくる」って話でもある。民主主義はそこから逃げられない。


だから私の結論:改革は必要。でも“セットで雑に下げる”のは怖い

篠原一騎さんの問題提起は重要だと思う。
供託金が高すぎて政治参加の壁になってるのは、現実としてある。 (https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/213/syuh/s213054.htm)

被選挙権年齢も、世界標準と比べれば日本は高めで、引き下げ議論が出るのも自然だ。 (https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9578222_po_077907.pdf?contentNo=)

ただ私は、制度改革って「善意の人だけが得をする」ようにはできてないと思っている。
“参加”を広げたら、同時に“ノイズ”も増える。そこをどう設計するか(署名要件、返還条件、情報の透明性、選挙運動のルールなど)まで含めて議論しないと、たぶん後でしんどい。

政治制度って、社会の土台だから。軽くいじると、生活のほうに跳ね返ってくる。

だからこそ、篠原さんのような若い世代が問題提起をして、こっち(有権者側)もちゃんと考える。
この往復が増えるなら、それ自体は良い兆候なんじゃないかとは思っています。


参考画像

れいわ新選組公式の候補者紹介画像(篠原一騎さん)。 (https://reiwa-shinsengumi.com/reiwa-election_2/)


関連リンク

「3/24 Abema Prime 出演予定」

3月24日、篠原一騎さんが「Abema Prime」出演予定(※ご本人の告知ベース)

そういえば、篠原さんは3月24日に「Abema Prime」出演予定とのこと。こういう“外に出る場”って、発信してる側からすると地味に体力勝負なんですよね。スタジオは暖かくても、本人のトークはたぶん熱い。
当日の詳細や時間帯は変更もあり得るので、いちばん確実なのは篠原さんのXで最新情報をチェックするのが安心です(私も当日、たぶんソワソワしながら見ます)。
※「出るだけで偉い」じゃなくて「出て何を言うか」が本題。そこが見どころ。

配信URL①: https://abema.tv/channels/abema-news/slots/BUj4Fe9SRvG2gX?utm_campaign=slot_share_cy&utm_medium=referral&utm_source=referral

②: https://abema.tv/channels/abema-news/slots/BUj4FeepVAq3q9?utm_campaign=slot_share_cy&utm_medium=referral&utm_source=referral

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