またこの話を書く。
なぜなら、何回でも言ったほうがいいからだ。
高市さんの目玉政策、たしか「積極財政によって強く豊かで美しい国」でしたよね。
……そのフレーズ、第一次安倍政権あたりで似た香りを嗅いだ記憶があるのは、私だけじゃないはずだ。
もちろん安倍政権が「成長戦略」と「金融政策」だけでそれをやろうとした――という皮肉は、今日は横に置く。
置くけど、高市さんは“積極財政”を謳ってるんですよね?
なら、比較してみましょうか。
「おととし」と「去年」、つまり(今が2026年なので)**令和6年度(2024年度)と令和7年度(2025年度)**で。
結論から言う。
国債の発行額、減ってます。
① “積極財政”の看板、まず数字で見よう:新規国債(公債金)は減っている
財務省資料で確認できる「一般会計の歳入としての公債金(新規国債発行額)」を見ます。
- 令和6年度(2024年度):公債金 35兆4,490億円(=約35.4兆円)
- 令和7年度(2025年度):公債金 28兆6,490億円(=約28.6兆円)
差は単純に、約6.8兆円の減少。
え、ちょっと待って。
「積極財政」って、国が(必要なら)支出を増やして需要を作るって意味ですよね?
なのに、新規国債(公債金)がガッツリ減ってる。
どこが積極財政なんですか。
ここで「国債発行“総額”」の話もすると、財務省の国債発行計画の説明では、令和6年度の国債発行総額は 182.0兆円、その内訳として一般会計歳入となる新規国債は 35.4兆円と示されています。
(※総額には借換債など“借り換え分”も大きく含まれるので、「財政の拡張」を語るなら、まずは一般会計の公債金=新規国債のほうが直感的です。)
② 「悪口言うな」? これは悪口じゃなく“政治批判”です
ここまで数字で示して「嘘つきだ」と批判したら、たまに返ってくるのがこれ。
悪口言うな
いや、違う。
政治批判です。
政治家が「積極財政」と言いながら、実際の新規国債(公債金)が減っている。
これは「性格が嫌い」とかの話じゃない。
政策の整合性の話だ。
むしろ、政策の話を数字でしている人間に向かって「悪口」扱いするほうが、議論を幼児化させる。
政治は“推し活”じゃない。
生活がかかってる。
あなたの生活が豊かになってないなら、まずは一回、疑ったほうがいい。
「強く豊かで美しい国」という言葉に酔う前に、家計簿と給与明細を見たほうが早い。
③ 「高市の積極財政が円安を呼ぶ」? まず前提がズレてる
メディアや評論の一部にある言い方がこれ。
積極財政=お金の量が増える=円の価値が下がる=円安
理屈としては“そういう説明の仕方”は可能だ。
でも、ここで最大の問題がある。
高市さん、積極財政を実行してないじゃないですか。
さっき見た通り、公債金(新規国債)を減らしてる。
つまり「円安の原因を“積極財政”に求める」なら、まずその積極財政が数字で確認できないとおかしい。
じゃあ円安は何が大きいのか。
私は少なくとも、ここを外すと議論が崩れると思ってる。
④ 円安の大きな要因:日米金利差(=アメリカの利上げ)
アメリカが利上げすると円は安くなりやすい。
これは為替の基本構造として説明できる。
IMF(国際通貨基金)も、2022年3月以降の円安について「主に金利差(interest rate differentials)を反映している」と述べています。
要するに、
- 米国:利上げで金利が上がる → ドル建て資産の利回りが魅力
- 日本:金利が相対的に低い → 円建て資産の利回りが相対的に見劣り
- すると資金がドルに流れやすい → 円安ドル高になりやすい
これが「金利差で円安」の骨格。
そして、実際にFRBは2022年から2023年にかけて段階的に利上げを重ね、政策金利を高い水準へ持っていったことが整理されています。
だから私は言う。
円安を語るなら、
「日本が積極財政やったから」より先に、
アメリカの利上げと日米金利差を見ろ、と。
⑤ じゃあ「発言が円安を呼んだ」って話はどうなの?
ここで、もう一段ややこしい話がある。
「実行してないけど、“積極財政をやりそう”と言ったから市場が反応した」
こういう説明も、ゼロではない、どころかそうだろうと思う。
期待で相場は動くから。まあ思惑だろうと、実体経済とは無関係に相場は動く
雑に処理するなと言う批判を、夫間違えた悪口を言ってくるひとがいるので載せておく
- 実際の財政数字はどうか(→公債金は減ってる)
- 為替の基調要因は何か(→IMFも金利差要因を重視)
- 米国の利上げ局面はどうだったか(→利上げの履歴)
この三点を置かずに「積極財政が円安だ!」と叫ぶのは、私は雑だと思う。
⑥ 結論:「積極財政」は“実行”で判断しろ。言葉で酔うな。
最後に、言いたいことはこれだけ。
「積極財政」を名乗るなら、
やったかどうかを数字で示してくれ。
令和6年度→令和7年度で、公債金(新規国債)は 35.4兆円 → 28.6兆円。
減ってる。大きく。
これを見てなお「積極財政で豊かになる!」と信じるのは、政治を“信仰”にしている状態に近い。
批判されて当然だし、批判を「悪口」と呼ぶのは、議論の放棄だ。
そして円安についても、まずは日米金利差という大きな要因がある。IMFもその見方を示している。
だから私は、ノーを突きつける。
ローランドみたいに「私か、野田さんか、選んでください」みたいな演出をする前に、
数字で語れ。
実行で語れ。
生活が変わってないなら、国民側は“評価”なんてしない。
言葉は美しくても、暮らしは美しくならない。
数字を見よう。政治は推し活じゃない。

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